「世界一やさしいオプション取引の教科書1年生」 トレードルールに関する重要な補足



本の発売後、オプコアPROの掲示板や、ブックレビューに以下の指摘が寄せられております。

本に書いてあるコール売りの「エントリー3要件」を全て満たす銘柄が見つからないので
エントリーができない


著者としては、これは一大事!
以下に 「そうなってしまった理由」 「対処法」 を示します。

※お読みいただければ、何も問題なくトレードを楽しんでいただけます。


まず、その「エントリー3要件」を確認します。


本書の124ページに3要件が明記されています。

本の中の随所に「トレードルールは変更されることがある」と書いてはありますが、このように箇条書きになってしまっていると、型どおりに銘柄を探すことになってしまうでしょう。
3要件のうち、問題になるのは 「残日数」 です。


そうなってしまった理由

原因は明確です。
マーケットが異常なほど閑散相場になってしまい、オプションの出来高が減り、IV(インプライドボラティリティ)が史上初の水準にまで低下してしまったのです。
IVは平時には20%以上あるのですが、昨今は何と10%をも割り込む異常さでありました。
※閑散相場になった理由は、異次元金融緩和によって相場がゆがめられて、参加者が減ったところにあります。

IVがここまで低下すると、自動的にオプションそのものの値段(プレミアム)がものすごく安くなります。
そんな中で、例えば15円のコールを売ろうと探しに行くわけですが、それが見つかるのは以下の二通りの場所です。

  1. 権利行使価格が現在の日経平均株価に近い(ニアな)コール
  2. 残日数がたんまり残ったコール
このどちらかを選んで、15円のコールを売りに行きます。
しかし、「1.」を選ぶのは非常に危険なことです。例えば権利行使価格までのマージンが500円しか確保できないコールを売るのは自殺行為です。

上の3要素のうちの、3番は絶対に曲げてはいけないルールです!

では、「2.」の残日数は?
残日数がたくさん残っていることで生ずる問題は、「プレミアムの下落速度が遅い」ということです。
要するに、儲かるスピードが少し遅くなるということ。
特にリスクが増えることはなく、ちょっと保有日数が長くなるだけの話なのです。


対処法

3要件の中でも、「残日数」というのは、弾力的に運用しても良い箇所です。
よって、IVが異常低下して、3要件に該当するコールが見つからなくなったら、残日数の長いコール・・・すなわち、より期先の限月のコールを探しに行けばよいのです。

本を執筆したタイミングでは、「IVが10%を切ってしまう」 などという異常相場は想定できませんでした。

それで残日数要件は、「50~20日」としたのです。
しかし今現在、投資クラブ:オプコアPROの中では、臨時で「70~20日」と書き換えてトレードをしております。

残日数要件を拡大することで、通常のトレードが可能ですので、皆様もそのように対応していただきたいと思います。


解説動画

 「225オプション・リアルトレード vol.95」 本に書かれたエントリー要件に合致する銘柄が見つからない件






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