憲法9条改憲についての私の考え
オプコア会員メルマガを抜粋します。
ちょっと理屈っぽいことを書きます。
根性のある方は読んでみてください。
憲法9条の扱いについて、改憲か加憲か?・・・今後この話題について意見を持つことは重要です。
しかし、なかなか難しいテーマなので「意見の持ちようがない」と感じる人が少なくないと思います。
さきほどちょっと良い話を聞いたので、紹介します。
中島岳志さんという学者のご意見ですが、これが私の考え方に非常に近かった!
こんな事を言う人は他にいませんでしたので、非常に嬉しかったのです。
日本国憲法第9条は、第1項で「戦争の放棄」、第2項で「戦力の不保持」と「交戦権の否認」を定めています。
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
この第2項について、「軍隊を持たないなんて、普通にあり得ない」「お花畑だ」という意見も多いですよね。
実は私も、たしかにそう思っていたところがありました。
武器を保持せず、不戦を誓うことは何よりも崇高なことなんですが、これは世界の全部の国が同時にそうしないとまずいわけです。
GHQによって英語で、しかも一週間で書かれた憲法を翻訳しただけのものか、そうでないかは別として、
日本だけが軍隊を持たずに、他国を攻めることもしないとなれば、アメリカの傘下をはずれた瞬間にボコボコにつぶされてしまいます。
世界が日本と同じように「不戦」を誓ってくれるという性善説に立たなければ、あり得ない憲法であることは間違いがないので、
「崇高な考え方」と認めながらも「あり得ない」ということで、私は悩ましさを感じていたのです。
で、中島さんの意見。
カントという哲学者がこう言っているそうです。
「理念」について。(この改憲論もひとつの理念と考えます)
理念には「統整的理念」と「構成的理念」がある。
「統整的理念」というのは、けっして実現できないけれども、絶えずそれを目標として、徐々にそれに近づこうとするポジション。
不戦の誓いとか、軍備の不保持とか、そういう感じです。
言い換えれば「理想」みたいなものでしょうか。
「構成的理念」は、もっと現実的な理念のことで、「そうは言っても軍を持たない国はあり得ないので、自国軍保有が前提になる」みたいな…。
このふたつの理念があって、共存して、初めて物事は前に進むということを、カントは言っているようです。
理想論があり、現実論があることで、初めて実際に軍縮が進んだり、平和に貢献した人が称えられる世界に近づいていくということですね。
そうやって考えると、安倍さん式の加憲論も、まんざらではないのかもしれませんね。
矛盾を抱えたおかしな考え方ではありますけれど…。
これが、明確な私の意見になりました。
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