世界の全てを支えるFRB
昨日は911ドル高だったNYダウは、本日は390ドル安でした。
誠に激しい上げ下げです。
225先物も下げて終値は 20390円。
もみ合いの中で振幅している印象です。
さて。
いまや日本の経済状況よりも、米国のそれのほうが日本株の相場に大きな影響を与えています。
実際に日本の投資資金よりも米国の投資資金のほうがはるかに日本国内でのシェアを持っているのは事実で、そういう馬鹿らしいことが起こっているのです。
よって株式の情報番組でも、日本の雇用がどうとか報道しなくとも、米国の雇用統計だけは大騒ぎして取り上げていますよね?
では、米国の経済の実態は?
この4-6月期のGDP予想が▲40%とか…ありえない数字になっています。
昨日は失業率の25%予想についても書きました。
ほんとに…ありえない数字が並んでいます。
そんな中、今日はこんな(ブルームバーグの)ニュースに目を奪われました。
★パウエル議長、緊急プログラム全てが月内に整うと見込む-上院公聴会
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-19/QAL2XNDWX2Q701?srnd=cojp-v2
少し抜粋します。
FRBは3月半ば以降、財務省と連携して金融市場や経済への前例のない支援策を発表。
政策金利をゼロ近くに引き下げ、9つの緊急融資プログラムを打ち出して社債や地方債などの市場支援を図っている。
社債や地方債の市場支援を行っている…?
その意味するところをよく考えてください。
つぶれそうな米国政府のみならず、つぶれそうな地方自治体や企業(大企業)に、つぶれてしまわないようにカネを融通するという意味です。
そしてさらにこういう支援も行うということです。
その一つは「メインストリート貸し付けプログラム(MSLP)」で、市中銀行が中小企業に行った融資の債権を金融当局が買い取る仕組みとなっている。
「全てのプログラムが今月末までに立ち上がり、準備が整うと見込んでいる」と発言。
米国の銀行が「中小企業」に貸し出した融資が全米で焦げ付いているので、それも全部金融当局が吸い取って上げましょう…そういうことです。
国、地方自治体、大企業、中小企業…そのすべての段階でカネが回らなくなったのです。
そのすべてを、金融当局:FRBが吸い取ってあげましょう…そういうことなんですよ、これは。
そんな話、聞いたことありますか?
リーマンショックの時は、米国政府が一握りの大企業だけ(AIGなど)に国税をつっこんで救済しました。
救済と同時に、法律を緊急的に改訂して「不良債権を簿外に隠してもよい」ことにして倒産を防ぎました。
今回は、その米国政府自体が倒産の危機に瀕しています。
そしてその倒産の危機は政府だけでなく、地方自治体も、大企業も、中小企業も…
誰が救うの?
今までそれらの事業主体を相手においしい汁を吸ってきた金融当局:FRBが、
(これまでのぼろ儲けシステムを失ってしまわないように)一切合切の借金の全部を肩代わりするためにカネを刷りまくろうというわけです。
全ての倒産リスクの「集塵機」…それがFRBです。
そのついでに、世界中の株価が下がらないように買い支えている。
FRBには無限の力があるのか?
いったい…FRBはブラックホールなのか?
いま、世界の経済(実体経済もバーチャル金融経済の全て)をFRBがひとりで支えなければならなくなっているのです。
日銀ももう限界。
実際にやれることは少なくなっているし、口先で言うばかりでやれていません。
ということは…FRBが限界を迎えればそれでお終い。
地球の外から誰かが助けてくれる事はありません。
いま世界がどういうことになっているか…
そんなことをわかっている人は本当に一握りなのではないでしょうか?